ピアノとアレクサンダー・テクニーク③

ピアノとアレクサンダー・テクニーク③

「頭と首と背中の良い関係  (2) 背中」

 前回、首と頭の関係についてお話しました。

首は、当たり前のようですが、表面に見えている首が、そこだけ別の部分として存在しているわけではありません。

脊椎(せきつい)は、椎骨(ついこつ)が積み木のように重なり、首はその上部に、そして下部は尾骨で成り立っています。

背中はどこまでかな?と考えると、腰のところで分けてしまいがちですが、お尻まで長いまま繋がっているのです。

椅子に座っている時、骨盤の一番下に、2箇所座面に当たる部分(座骨)があります。この座骨に上半身の重さを預けると考えてみましょう。

尾骨はその座骨の間に位置します。

座る時に座面に尾骨が当たることはありませんが、頭からの長いつながりを考えるヒントになるでしょう。

首が自由で、頭が背骨の上に気持ちよくのっていると、背中が筋肉で頑張らずに解放されて、長く広い状態になります。力が入っていると、背中全体が縮んで短くなりますが、押し付けられた状態から背中が解放されると、腕も自由になります。

弾きにくい箇所、または遠く離れたところへの移動で、必死にその場所を掴もうとせずに、遠くから眺めるように、腕が広い背中から離れていくと考えてみましょう。