ピアノとアレクサンダー・テクニーク②
「頭と首と背中の良い関係 (1) 首と頭」
前回、全体のつながりについてお話しました。
”全体のつながりを考える”といっても漠然としていて、わかりにくいかもしれません。
アレクサンダー・テクニークでは頭・首・背中の良い関係がとても大切と言われていますが、その中でも始めに考えるのは「首が自由」ということ。ぐるぐる力を込めて回すのではなく、柔らかくどの方向にも気持ちよく、ぎゅっと押し込めずに身体から解放されると考えてみましょう。
その上に5kgほどもある頭部が脊椎のてっぺんにふわりと乗っているのです。頭が地面に対して垂直に、植物の芽が上に柔らかく自然に伸びるように。
テクニーク創設者のFM.アレクサンダー自身、頭を引き下げて、喉を詰めていたために、声がれが起きてしまったのですが、鏡で観察し続けたところ、首と頭の関係が大切であると気づいたのです。
頭を後ろに引っ張っていたり、または頭を下げて喉を締め付けるように力が入っていませんか?
首が自由になると、呼吸が楽になり、息が隅々まで行き届き、解放されて、視野も聴覚も広がっていきます。私自身、アレクサンダー・テクニークを始めた初期の段階で、小さな音を柔らかく、弾きやすくなったことに気がつきました。逆に、身体が緊張し、固まりやすくなると、息も詰まりがちになります。その時こそ、まず首と頭のつながりを考えてみましょう。
次回は背中についてお話したいと思います。